大阪府内に住む中国人の男が、SNSで「闇バイト」に応募し、不正に入手した日本人のクレジットカード情報を基に買い物を繰り返していた実態が、府警が逮捕した男の供述から判明した。
押収物からは3万件のカード情報が見つかっており、府警は、中国人が構成する「フィッシング詐欺」組織の一部が日本にあったとみている。
「日本で買い物をする人募集」
5月9日、不正作出私電磁的記録供用などの罪に問われた中国人の男(23)が、大阪地裁から懲役2年6か月、執行猶予4年の判決を受けた。証拠として採用された府警への供述調書などには、グループに加わるまでの経緯が詳細に記されていた。
男は2018年に留学資格で入国し、21年に府内の私立大へ進んだ。生活は苦しく、割のよいアルバイトを探した男は、「中国版インスタグラム」と呼ばれるSNS「小紅書(RED)」にあった「日本で買い物をする人募集」との投稿に目を留めた。闇バイトの募集だった。
「神(シェン)」と名乗る投稿主にダイレクトメッセージを送ると、細かい指示が送られてきた。▽指定したコインロッカーからスマホを受け取れ▽スマホは機内モードのまま使用してWi―Fi(ワイファイ)はつなげるな▽スマホの決済アプリで1万円以内の物を買え――。
偽のメール
こうしたフィッシング詐欺で使用される決済用のスマホには、どのようにして他人のカード情報を入れるのか。府警は、捜査の一環で男が供述した別の「バイト」に着目している。男の大学の同級生で、同じ中国人留学生の男から紹介されたという。
同級生は「業者」と呼んでいた外注先に指示し、カードの使用に何らかの異常があったとの偽のメールを数万~数十万件、不特定多数の宛先に送信させていた。メールにはカード情報を入力するよう呼びかける文面と偽のウェブサイトのURLを記載。通勤の移動時にスマホを確認するタイミングを狙って、送信するのは決まって午前5時と午後6時頃だったという。
偽サイトに入力された情報は、2人の拠点にあるパソコンに表示され、特殊なシステムにより集約。入力した名前、生年月日、クレジットカード情報の詳細が画面に表示された。男はスマホの決済アプリにこれらの情報を打ち込んでログインしていた――。
府警は同級生にも捜査を進めたが、男を逮捕するより前に出国していた。
府警は「手順やルールが明確化され、誰でも始められそうなだけに、数え切れないほどのカード情報が奪われているかもしれない」として、捜査を進めている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c181bfd3eedbd934f4275...
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