「政府批判するな」中国政府が亡命チベット人の親族を脅迫 人権団体報告書で明るみに

世界各地に離散した推定12万5000人のチベット人亡命者たちは、中国政府により監視され、祖国に残した親族は脅迫の対象になっていることが、人権団体の報告書で明らかになった。英紙ガーディアンが伝えた。

報告書は亡命チベット人が組織する人権団体「チベット人権・民主主義センター（TCHRD）」がまとめたもの。西側の専門家によると、中国政府によるチベット人への弾圧は依然続いており、米国、カナダ、インド、フランス、オーストラリアなどに亡命したチベット人たちを標的にしている実態を初めて調査したものだと評価した。

中国当局は〝国境を越えた弾圧〟として知られる戦術で、国外のチベット人や香港人、ウイグル人らの言論を抑圧する動きを強めているとされる。


スイス在住のチベット人ドンデンさんはTCHRDの調査に対し、「2021年、チベットにいる兄弟の1人からビデオ電話を受けた。電話に出ると地元の警察署から電話をしてきていた。そこには家族の半分ほどがいて、電話口で代わった警察官は私に『海外では行儀良く行動し、中国の政策に逆らうような活動をするな』と念を押した」と話した。

その上で、「もし忠告に従わなかったら親族が苦しむだけだと脅された」という。


TCHRDの調査員らは10か国に住む84人の亡命チベット人から証言を集め、そのうち半数以上の49人がチベットに残る親族に危害を加えるという内容の脅迫を受けていたと明かした。

TCHRDのテンジン・ダワ事務局長は、この現象は欧州では特に「とてつもなく深刻」とする一方、米国では当局側が中国政府による国境を越えた弾圧に対し、より積極的に対応していると付け加えた。


https://news.yahoo.co.jp/articles/5d659ca37a6b151e48df0...

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